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■ ユーミンスペシャル:2000年1月3日放送分(第221回) | ||||||
それは2000年1月3日の放送での出来事。 ミレニアムを迎えて一発目の放送を楽しみにしていたリスナー一同は、オープニングの伊集院の言葉に耳を疑った。
…「何これ?」、「どうした伊集院?!」、「ってかなんでユーミン?」 ギャグなのかマジなのか、何がなにやら分からずに戸惑うリスナー達。 インターネットでは、当時最大の伊集院系コミュニティサイトであった「イジューインネット」のチャットコーナーが、大挙として押し寄せたリスナーによってパンクを起こし、局地的な混乱状態をも生み出した。 これが今も語り継がれる2000年正月の悪夢、伝説の「ユーミン スペシャル」その始まりである。 多くのリスナーに混乱を与えたオープニング。 しかし、そこは「深夜の馬鹿力」リスナー、オープニングから珍奇な放送をされるのには多少なりとも免疫がある。 「松任谷由美 ベストコレクション」なる放送が続く不安の中でも、「長い前フリだけど、CM明けにはネタばらしをしてくれるだろう…」。 そんな気持ちを誰もが持っていたはずである。 が、1本目のCM明け。悪夢はまだ終わらない…。
流石にこの辺りに来ると、リスナーの反応も徐々に分かれてくる。 何しろ番組開始から20分が経過しようとしているにも関わらず、一向に終わる気配のない「松任谷由実 ベストコレクション」。 加えて、通常の放送とは違うジングルまで作る徹底ぶりである。 番組内容を真に受けて寝てしまう者。 それでも、長い前フリだと信じて聞き続ける者。 ユーミンの番組だと思ってたまたま聞いてしまった人、等など…。 いずれにせよ通常の放送を楽しみにしていたリスナーにとって、ますます不安は募るばかりである。 こうして、誰もが不安と戦いながらもこの悪夢の終わりを待ち続けた。 そして、2本目のCMが明ける…
良かった…。終わった…。長かった…。 いつもと同じ伊集院のトーン、そして構成渡辺氏の笑い声…。 何とも言えない安堵感がリスナーの間を包んでいく。 番組開始から実に22分後のネタばらしである。 正味22分…、しかし長く険しい22分であった。 誰も予想だにしなかった「松任谷由実 ベストコレクション」。 多くのリスナーが不安と戦いながら、ひたすらネタばらしを待った22分間…。 しかし、伊集院はあっさりと言い放つ。
流石だよ…。 これこそ深夜ラジオのカリスマ、伊集院光…。 誰もが意表を突かれた、こんな企画ができるアンタは天才だよ…。 と、思うのはまだ早い。 この非常事態に臆すること無く、きちんと製作サイドの意図を察して行動している人はいるのである。
こうしてネタばらしが無事に済み、残りの時間は通常の放送通りにトークとコーナーが続く。 そして、ミレニアム1発目の放送も終了したのである。 後日、インターネットでの話題は「ユーミン スペシャル」一色。 「やりすぎだ!」、「いや、あれぐらいが面白い」、「もうちょっとユーミン聞きたかった…」等と是非が分かれたものの、概ね理解を示すリスナーが大半であった。 かくして、「ユーミン スペシャル」は終幕した。 後に語り継がれる伝説と、大きなトラウマを残して…。 又、この「ユーミン スペシャル」が、翌2001年1月1日放送「チェッカーズ ベストヒットコレクション」、2002年1月7日放送「甦る 70年代フォークソングコレクション」に繋がっていくことになるのだが…。 最早、毎年恒例となってしまったこの悪ふざけ。 果たして来年の正月はどうなることやら…。
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