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おべんとつけてどこいくの?
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 Oh!デカ内で放送された「おべどこ」のテキストを追加しました。テキスト作成はみつあみさんです。感謝。m(_)m

伊集院光のOh!デカナイト 「おべんとつけてどこいくの?」
カッコ内はペンネーム

〈イメージガール・裕木奈江ヴァージョン〉

 夜10時。東京ディズニーランドから帰りの地下鉄、シートに並んで座る僕と奈江(裕木奈江)。
 「楽しかったね」
 「ああ」
 「でも、ちょっと疲れた」
 「はしゃぎすぎなんだよ、お前は」
 「うん………ふあぁ……」
 奈江は小さくあくびをすると、自分の頭を僕の肩に「こてっ」ともたせかけた。
 そして僕がしばらくそっとしておくと、静かに寝息を立てはじめた。よっぽど疲れていたらしい。
 10分ほど経っただろうか。奈江が、僕の肩で寝言を言いはじめた。
 「……かおる君……かおる君、ミッキー、ミッキーがいる。ミッキー……」
 車内の乗客の視線が僕らに集まる。彼女の頭を軽くゆすり起こす。
 「おい、起きろよ……みんな見てるよ。奈江」
 すると、まだ夢の中にいる彼女がつぶやいた。
 「んー……大好き……」
 ますます視線を集める僕ら。顔から火が出そうなくらい恥ずかしいのに、なぜかうれしい僕。
 こんなことがあった日にゃあ、頭からガソリンぶっかけてチャッカマンで点火してでも顔から火を出してみせるっ!



 同窓会。みんなハメをはずし、飲み食いし、時刻は午前2時。
 やっとお開きになったかと思ったら、元クラスメートの裕木さん(裕木奈江)が歩けないほど酔っ払ってやがるので、俺はおんぶして家まで送ってやることにした。
 背中から安らかな寝息が聞こえ、トクントクンと鼓動が感じられる。
 これで酒臭いのさえなければ申し分ないのだが、ときおり寝言で「おやしゅみ〜」とか「眠いのら〜」とか言ってるところが、無防備なんだかバカなんだかわからない。
 そんなこんなでやっと裕木の家に着くと、裕木はふらふらしながら、
 「ありがとう、また飲もうね〜」
 と、笑顔で手をふらふらと振った。
 「うん、じゃあ、またね」
 こんなのも、いいかもしれない。

(青柳製鉄所)


 帰りのバス、ラッシュ時間と重なって車内はすし詰め状態。僕は体を動かすことさえできない状態に少しいらついている。
 5分後、幸運にも僕の目の前の座席が空いたので、僕は迷わず腰を下ろした。
 「あれ?」
 なんと、僕が座ったとなりにクラスメートの奈江がいた。
 「なんだ裕木、お前いつもこのバスか?」
 「あ、ちょっと今日は友達と買い物してて」
 「ふーん、そっか」
 そういった時、突然、俺の腹の虫が鳴った。
 「おなかすいてんの?」
 奈江が笑いながら冷やかすように言う。
 「るせーな、もう。でもなんだよな。人間っていうのはさ、やっぱり食うときと寝るとき、これがいちばん幸せだよな」
 「そうかなあ……?」
 奈江は窓の外を見ながら小声で言う。
 「そーかなー、って、じゃあ裕木はどんなときがいちばん幸せなんだよ?」
 「…………いま。」

(滋賀・見参エビーハネール)


 のら猫がうちの前にいた。うちの中から煮干しで手名づけようとする奈江。
 のら猫は煮干しをくわえるなり走り出し、遠ざかってから振り返る。
 ちょっと悲しそうな表情で見る裕木奈江。

(千葉・山藤龍太郎)


犬をしつけようとしているが、犬が言うことを聞かなくて困っている裕木奈江。

(千葉・ザ・ピエロ8世)


夏のプールの授業の後の休み時間、濡れた髪の毛を束ねようと髪の毛を握りしめ、紺色のゴムをくわえ悪戦苦闘している女の子。

(滋賀・見参エビーハネール)


放課後、演劇の練習中、教室の隅っこでひとり、棒読みで引っ掛かりながらセリフを練習している宮前真樹ちゃん。

(秋田・うどん小僧)


いっしょにファミスタをやっていると、ホームランを打たれるたびに「雨天中止〜〜!」と言ってリセットボタンを押してしまう彼女。

(ドロンパ)



伊集院光のOh!デカナイト 「おべんとつけてどこいくのスペシャル」
放送日:1992年8月12日
ゲスト:宍戸留美・宮前真樹
カッコ内はペンネーム

〈イメージガール・宍戸留美ヴァージョン〉

 それは恋人の留美と、近所の肝試しに行ったときのことだった。
 留美は肝試しということも忘れて大はしゃぎ。スタスタと早歩きで歩いて行っては振り返り、
 「遅いよー! 怖いんじゃないの?」
 などと言っていたら、そのとき仕掛けの布が留美の目の前に飛び出してきた。
 すると留美は、それまでのはしゃぎようとは打って変わって、
 「う、うわわ〜〜〜!!」
 と怖がりながら引き返してきて、
 「ぜ、全然怖くないよ」
 と強がりを言いながらも抱きついてきた。
 すぐに仕掛けに気づいた僕は「留美ちゃん、ただの仕掛けだよ」と言うと、
 「そんなの知ってたもん」
 と真っ赤な目で振り返り、俺を引っ張ってまた歩きだした。
 ただそれだけだけど、こんなことがあったら……あったら……一生夏ならいいな。

(群馬・宍戸留美ファン富沢やすみつ)


 夏休み。僕は遊ぶ金欲しさにアルバイト禁止の校則を破って、となり町の古ぼけた喫茶店でウェイターのバイトをしている。
 そんなある日、同じクラスの女の子、留美ちゃんが店にやってきた。
 「やべぇ、知ってる人に見つからないようにって、となり町のこんな古びた喫茶店、バイト先に選んだってのにさぁ……なんで来るんだよぉ」
 僕はあせった。しかし、こうなったら仕方がない。僕は彼女のテーブルに注文を取りに行った。
 「あ、光くん」
 彼女は驚いた。しかしすぐに彼女は、
 「いいのかなー、バイトなんかしてー」
 と、僕のことをいじめにかかってきた。僕は、
 「だ、誰にも言わないで! お願い!」
 と言った。彼女は、
 「ダメー。友達に話してー、友達もキレイにしてあげるからー」
 と言った。そして、
 「どうしても内緒にしてほしかったら、毎日会いに来るから、ジュースおごってね」などと言う。
 漢方アロエジュース100人前、さあ留美ちゃん飲みなさい。

(作詞家オランダ侍)


 僕と留美は、うちがとなり同志で、子供の頃からよく遊んでいたせいか、いまでも一緒の学校に通っている。
 昔は子供っぽく妹のようで僕を困らせたが、今もたいして変わっていない。
 部活を終えた僕が学校から帰ろうとすると、校門のところでほかの女子と話している留美と一緒になった。
 彼女は友達に手早く別れを告げると、僕の横に来て歩きはじめた。
 「友美ねぇ、福田くんのことが好きなんだって」
 いきなりの彼女の言葉に驚く僕。
 「付き合っちゃったら? あの子、いい子だし」
 なぜかちょっとすねたように後ろに手を回してカバンを持ち、口を軽くとがらせて僕を見る。
 そして、何か言おうとした瞬間、空からバケツをひっくり返したような夕立が降ってきた。
 僕達は全力で走り、近くの喫茶店に逃げ込んだ。外を見てもまだ雨はやみそうにない。おまけに雷まで鳴りはじめた。
 彼女は雨に濡れて、タオルで頭をふいている。
 彼女のうなじや肩の線にドキっとしながら、
 「さ……さっきのことだけど、俺、友美ちゃんと付き合うの……よすわ」
 などと言っている僕。雷が二人を照らす。
 「俺……ほら、俺……お前のこと、ほっとけないしな」
 その言葉に留美は驚き、目を見開き、じわっと目を潤ませながら、ムキになって、
 「ちょっと……いきなり何言い出すのよ」
 と涙声で言い、そのままうつむいて口に右手を当てて、涙をこらえようとされた日にゃあ、あんた、三波春夫といっしょにイベントやってもいいっすよ。

(虚弱王福田DX)

 僕と留美は高校3年生。いっしょの大学に行こうと頑張って勉強している。
 予備校の帰り。今日はこの前受けた模擬試験の結果が出た日だ。
 僕は結果が悪く、留美との待ち合わせの喫茶店「かど」でも落ち込んでいた。
「こんばんは」
「やぁ、留美ちゃん」
「いつもの漢方アロエジュースね……あら、陽平くんは?」
「ほら、あそこのすみだよ。何か落ち込んでるみたいだよ」
「ほんとだ。陽平くん」
「あ……留美」
「ねぇ、模試、どうだった?」
「え……ああ、偏差値は52。E判定。留美は?」
「私は68だったけど」
「いいよなぁ、留美は……もうA判定じゃん。それにくらべて俺は……もうダメだよ」
「何弱気になってるの! 陽平らしくないぞ」
「だって留美みたいに、俺、頭良くないもん。しょうがないじゃん」
「じゃぁ、私の偏差値、分けてあげる」
「……え?」
すると、急に留美が僕の額に自分の額をあててきて、
「陽平へのプレゼント。私の偏差値、とんでいけー!」
なーんてことを言ってきた日にゃあ、僕は、僕は、ああ僕は、東大でもどこでも受かるだろう!!!

(ちかのようへい)

〈イメージガール・宮前真樹ヴァージョン〉

 ぼくは、いつものあの喫茶店「かど」で、いつもの漢方アロエジュースを注文して待ってるはずの彼女・真樹のところへと急いでいた。
 「やっべー、遅れるなぁ」
 待ち合わせの時間に5分ほど遅れて、僕はやっと「かど」に着いた。
 「はぁ、はぁ……ごめん、待った?」
 「もー、遅いよー、私じゃなかったら待ってないよ!?」
 と、真樹は、握り拳をつくってたたくまねをした。
 「はい、お待ちどおさま。漢方アロエジュースです」
 「あ、やっぱりまた漢方アロエジュースか?」
 「うん。私、漢方アロエジュースが、この世で2番目に好きなんだ」
 「あれ? じゃあ、一番好きなのは何なの?」
 「うん?」
 真樹は、上目遣いにいたずらっぽい目をして言った。
 「私に言わせる気なの? いちばん好きなのは……もちろん……」
 「……もちろん?」
 「……もちろん……」
 「だから何だよ」
 「もちろん、黒ブドウジュースだよーん」
 なんて言われた日にゃあ、黒ブドウといっしょにジューサーにかけられて「かど」で600円で売られても、僕は、いい!

(伊集院隼人)

〜長距離恋愛・まきボー編〜

 僕と真樹は長距離恋愛中。電話代も安くはないので、電話は週末と決めていた。
 でも今日は水曜日なのに、真樹からの突然に電話に驚く。
 僕 「どうしたの? 何かあったの?」
 真樹「急にタカシの声が聴きたくて……。ねぇ、いま星がとってもきれいだよ」
 少し星に詳しい僕がいろいろ説明を始める。
 「北極星の右下に見えるのが、ベガだよ。見えるかい?」
 「えー、よくわかんない。……あっ、流れ星!」
 沈黙が続く。
 「今、流れ星にお願いしたの。何お願いしたか当ててよ」
 「んー、そうだな。ダイヤの指輪だろう」
 「残念でしたー」
 そして、すこし涙声で、
 「……いますぐ会いたい」
 そんなことを言われた日には、言われた日には、米軍基地からF14を盗んで今すぐ東京行ったるわーーーー!!!!!

(大変だ、波平の毛が抜けた)

〈イメージボーイ・伊集院ヴァージョン〉

 ずっと好きだった男の子に振られて、最近落ち込みぎみだった私を、クラスで一番明るくてお調子ものの伊集院くんが、
 「お前、最近元気ないね。あ、そうだ。気晴らしに明日、遊園地行こうよ、遊園地。な、そうしよう」
 と言ってくれた。彼の明るさにつられて、つい「うん」と言ってしまった私。
 次の日の彼は、元気付けてくれているのか、いつもよりギャグをバシバシ飛ばして私を笑わせた。だんだん伊集院くんに惹かれていく私。
 空がオレンジ色になるころ、最後に乗った観覧車の中で、
 「伊集院くん、今日、楽しかった。ありがとう」
 そういって、私は彼の頬にキスをした。少し驚いた彼の顔を見たら急に恥ずかしくなってきた私は、照れ隠しに、
 「ほっぺた、ぷにぷに〜」
 と、彼の頬を軽くつねってみた。

(伊集院さん好きだよ)

 思い切って髪をベリーショートにしてしまった私は、朝からみんなにバカにされ、ちょっと後悔していた。
 「失恋したくらいで、髪切るんじゃなかった……」
 廊下を歩いていると、野球部のあいつ(伊集院)が、後ろから肩をたたいてきた。
 「よっ、モンチッチ!」
 「もー、うるさいわねー!」
 私は怒ったふりをした。
 走り去る光。と思いきや、20メートル先で振り向き、
 「でもさ、俺、モンチッチ好きだぜ」
 と言って、ウインクをしながら親指を立てた。
 私は新しい恋の予感に胸を躍らせた。
 よく晴れた午後のことだった……。

(はるこちゃん)

〜おべどこ・のろけ劇場in喫茶店〜

 とことん落ち込んでいた私。「どうしても今会いたいの」というと、彼・伊集院光は「今からそっちへ行く」と言った。
 カランコロンカラーン(←喫茶店のドアが開くときの音)
 「どうしたんだよ、いきなり会おうなんて言ってさあ」
 どうやら走ってきたらしく、息を切らせながら光は言った。
 しかし何も言えない私。それどころか、急に泣き出してしまった。
 「おいおい、いきなり……泣くなよ」
 ちょっと困った顔をしながら光は言った。
 「光くんの顔見たら、なんか安心しちゃって……そしたら……そしたらなんか涙出ちゃって……へんね」
 私が言う。
 すると光は、ちょっとびっくりしたような顔をし、次にやさしく微笑みながら、指で私の涙を拭き、軽く私の頭をポンポンと2回たたいたあと言った。
 「もう泣くな。泣くと美人が台なしだ」
 そんなことを言われた日にゃあ、たとえ伊集院のファンにカミソリを送られようが何をされようが一生ついてってやるよ伊集院。

(学科なくて悩んだ私)

 甲子園を目指した俺達の青春が、俺のエラーで終わった。
 「ちきしょお……ちきしょお……」
 「先輩、泣かないで」
 と声をかけたのは、1年生マネージャーの三浦理恵子。
 「しょうがないですよ先輩。だって、イレギュラーしたんですもの」
 と慰めてくれる。
 「でもね、でも……私はまっすぐだから、しっかり受け止めて」
 なんて言われた日には、俺の頭の中にエラーのことなんて、もう、ない。

(理恵子シンドローム)

[Happy Birthday]

 イラストレーター志望のさとみ(イメージガール:東京パフォーマンスドールの木原さとみ)。僕の家にちょくちょく遊びに来るようになってはや3ヶ月。
 今日は僕の誕生日。金のないさとみは僕をモデルに作品を描いて下さるとやらで、朝からイスに座らせられている。
 今まで2回ほどモデルになっているが、これが結構つらい。さとみの真剣な表情が見れるのはいいが、「動かないで」「のぞかないで」「もっと笑って」の連発で、いつもぐったりしてしまう。
 3時間ほどだって、さとみの絵筆が止まった。出来上がったキャンバスをのぞき込んでみると、何かが違う。キャンバスの中の僕の左ホッペにはキスマークが描かれている事に気付いた。
 これ・・・」振り向いた瞬間、さとみが僕のホッペにチュッ!!そして一言「完成〜!!」
 こんな事があるのなら、日本も捨てたもんじゃないね。

[1枚の写真]

 帰りのHRで修学旅行の時の写真が渡された。僕は前から来た封筒の一番上を取って後ろに回した。
 しかしよく見ると、それは奈江(イメージガール:裕木奈江)の注文した写真の入った封筒だった。
「おい裕木、これお前のだ」
「えっ?あっ本当、光君のだコレ」
 後ろの席の山本太郎が欠席だったので、奈江は受け取ろうと身を乗り出した。セーラー服からのぞいた奈江の谷間にドキッとした俺は奈江の封筒を落としてしまった。
「あっ悪ィ」
散らばった写真を集めようとした時、奈江は、
「あ!!いいよ。拾わなくていいの!!本当にいいって!!」
 と叫び、急いで写真をかき集め始めた。
 その写真の中に、「笑顔のオレ」がいた事は、耳まで真っ赤な奈江に免じて気付かなかったことにしてあげよう・・・と。

[100万円クイズハンター]

 「夏休み芸能人ペア大会」で黄色のボックスに座っている、僕と妻の恵理香(イメージガール:羽田恵理香)。
 正面には司会の柳生博。客席には元CoCoのメンバーや、今やポニーキャニオンの敏腕女常務となった、レコーディングディレクターの佐多さんなどがいる。
 ハンターチャンスの3問目。ゴールデンハンマーで正解する僕と恵理香。
「さぁ何色のどの品物を指名しますか?」
 と聞く柳生に、
「青のハトヤの宿泊がいいィー」
 などと客席から声が飛んでいる。
 そんな時、妻の恵理香が僕の耳元でそっとつぶやいた。
「私、あなたとハートが欲しいなぁ・・・・・・」
 こんなこと言われたら、ハトヤだろうが、赤のネックレスだろうが、柳生博のカツラだろうが、何でもくれてやる!

[魔法じかけのキス]

 期末テストが終わり、成績が落ちてしまった僕の彼女(イメージガール:ミクロ小林ディレクター)は、うつむいて今にも泣き出しそうであった。僕が、
「ホラ、オレなんてまた後ろから20番目だヨ」
 なんて言ってもムダであった。
 そこで僕はちょっとマジになって、
「目は何のために前についているんだ!前へ前へと進むためなんだ!過ぎた事はクヨクヨせず、次頑張ればいいじゃないか!」
 と言うと、彼女は、
「クッサ〜イ」
 と言って大笑いして、今度は僕に尋ね返した。
「それじゃ口は何のためについてるのか知ってる?」
 僕はしばらく考えて、
「わからない」
 と答えると、彼女は、
「キスをするためだヨ」
 と言って、僕のくちびるに魔法をかけて行ってしまった。

 秋の夕陽がきれいだ・・・・・・。

<参考資料:伊集院光のOh!デカ大百科>