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96.10.26 放送 |
文化祭、男子校の僕らにとって女の子達がやってくるこの出会いの日は高校生活の全てと言ってもよい。
しかし、僕の所属する文芸部は男達が文学について語り合うという趣旨の部活のせいもあって、文化祭であっても女の子と知り合うなんて、ある訳がない。
今年の文化祭も部員の詩の展示という、女の子どころか誰も来てくれなさそうな事をやっていた。
実際に朝から今まで来てくれたお客さんは冷やかしでやってきたうちの学校の生徒3、4人だけだ。
そんな午後、文芸部に4人連れの女の子達がやってきた。その中には目がパッチリ、ポニーテールの似合う女の子がいる。僕の好みのタイプだ。
しかし、女の子達は展示をつまらなそうに見ている。このままでは女の子達は通り過ぎて行ってしまう。高3の僕にとって、これが最後のチャンスかもしれないのに。
僕は、
1.僕は心に決めた。思いきって声をかけてみよう。
2.僕はサッカー部の友達に頼んで名前を聞いてもらうことにした。
3.僕は思い切って女の子に声を…やっぱりかけられない。[Click!]
96.11.2 放送 |
3.僕は思い切って女の子に声を…やっぱりかけられない。
迷っているうちに、彼女はどんどん遠ざかっていく。あきらめようとしていたその時、友人の野田君が4人組に声をかけた。
「見に来てくれた人にアンケートを書いてもらっているのでお願いします。」アンケート用紙に名前を書く彼女たち。
はやる気持ちを抑えてアンケートを見ると、
1.「綾野麻美子」と書いた。どこかで聞いたことがある。確か…[Click!]
2.山田、高木、城之内…誰が誰だかわからない。でも学校名だけは分かった。
3.「趣味は、子リスいじり。」…僕と同じだ。
(京都府・PN:虫コロリ)
1.僕は心に決めた。思いきって声をかけてみよう。
でもその前に、出会いというのは第一印象からだ。何を話し掛ければいいんだろう?
1.「あ、秋ですね。何だか物悲しい季節だけど、秋は好きですか?」というのはどうだろう。
2.「汚れちまった悲しみに…。中原中也の詩なんだけど、僕はね、この詩ほど人生の秋を表現している詩はないと思うんだ。君はどう思う?」というのはどうだろう。
3.「磯の生き物の中で一番好きなのアメフラシー。」というのはどうだろう。
(台東区・PN:ドロップ岬)
2.僕はサッカー部の友達に頼んで名前を聞いてもらうことにした。
あいつらに頼めば大丈夫だろう。案の定頼んだサッカー部の連中は、校庭で気さくに女の子達に話し掛けていた。僕にはとても真似出来ない芸当だ。戻ってきたサッカー部の高橋が思いがけないことを告げてきた。
今度の日曜日、女の子達4人と僕を含めたサッカー部の連中全部で4人とで4対4のデートをすることになったという。高橋に心から感謝だ。そしてそのデート場所というのは、
1.隣町の遊園地だった。
2.駅前にあるボーリング場だった。
3.マゼラン海峡からアラスカまで南北アメリカ大陸ヒッチハイクの旅だった。
(渋谷区・PN:ザ・ニュースペーパーの追っかけ)
3.僕は思い切って女の子に声を…やっぱりかけられない。
そうやって躊躇しているうちに、女の子達は足早に立ち去っていってしまった。僕はあのポニーテールの娘の名前すら聞くことが出来なかった。
しかし、まだ望みはある。それは、あの女の子達の着ていたセーラー服に見覚えがあるからだ。そう、あのセーラー服の女子校には、
1.僕の2つ年下の妹が通っている。これは使える。
2.僕の双子の姉が通っている。これは使える。
3.僕の、最近僕らには見えない何かと闘っている祖母が、確か理事長とやらをやっている。使える?
(東京都中野区・PN:テレホンモンガモンガ)
96.11.9 放送 |
1.「綾野麻美子」と書いた。どこかで聞いたことがある。確か…
と思いだそうとした所で、野田が口を開いた。
「君たち、もしよかったら僕がこの学校を案内してあげようか?」ルックスのいい野田のこの言葉に、彼女たちが嫌というはずがない。
僕は追いかけるようにして言った。「ぼ、僕も。」こうして僕は野田らとともに彼女たちを案内することになった。
そして一番最初に入ったのは、
1.3年D組の喫茶店だった。「あ、綾野さん。」野球部の中島キャプテンが声をかけてきた。[Click!]
2.2年B組のお化け屋敷だった。「おーいらっしゃい。男2名に女4名だね?」国語の佐藤先生が声をかけてきた。
3.1年D組の休憩室だった。「ぬ?ねえ、ミサイル見る?」我が校でも有名なユニークブレインの玉川君が、両手にプリングルスの空缶をはめてロボット気分で声をかけてきた。
(熊本県・PN:マーベラスシンボル)
2.山田、高木、城之内…誰が誰だかわからない。でも学校名だけは分かった。
青葉女子高といえば都内でも有数の進学校で、僕の通っているバカ学校とは雲泥の差だ。
「こんな優等生でも、こんな学校の文化祭に来るんだ…。」そんなことを考えていると、展示時間も終わりになった。
僕は彼女たちが去ってしまった教室をぼんやりと眺めながら、片づけを始めた。
「彼女に恋心を抱くなんて…身の程知らずもいい所だな。」一人で苦笑いしていると、友人の野田が話しかけてきた。
1.「あのポニーテールの娘、お前の詩気に入ってたぜ。」僕に希望の光が差し込んだ。
2.「あのポニーテールの娘、かわいかったな。これって恋かな?」僕は気まずくなった。
3.「あのポニーテールの娘、実はからくり人形らしいぜ。」どうりで歯車のきしむ音が聞こえたわけだ。
(東京都狛江市・PN:肉だんご)
2.山田、高木、城之内…誰が誰だかわからない。でも学校名だけは分かった。
隣町にある有名な女子高だ。
彼女たちはアンケートを書き終えると、そそくさと教室を出て行ってしまった。
再び静かになった教室を見渡すと、彼女たちが詩を見ていた所に何かが落ちている。
近づいてみると、
1.それはかわいらしいピンクのハンケチだった。"高木"という刺しゅうがしてある。
2.それは生徒手帳だった。名前の所に"城之内"と書いてある。
3.それはかじりかけの腹話術の人形だった。この子の名前は"山田"というらしい。
(浦和市・PN:レッズ優勝)
96.11.16 放送 |
1.3年D組の喫茶店だった。「あ、綾野さん。」野球部の中島キャプテンが声をかけてきた。
すると綾野さんの顔がこれ以上ない笑顔に変わった。彼女は僕らの存在なんか一瞬にして忘れてしまったように、中島キャプテンの方に歩み寄っていき、そのまま2人で楽しそうに話し込んでいた。
僕は何だかつまらなくなってしまった。そして野田や3人の女の子に「ちょっと、用事を思い出したから。」と言って文芸部に戻った。
その夜僕は部屋でボーっと詩を眺めていた。「そっか、綾野さんと中島は、付き合ってるんだ。」そんな事を考えていると電話が鳴った。あまり出る気にはなれなかったが、しつこく鳴り続ける電話に受話器を取った。そこから聞こえた声は、
1.「もしもし、急にお電話してごめんなさい。綾野と言いますけど。」…綾野さんからだ。[Click!]
2.「もしもし、あ、俺だ俺、野田。あの娘達の学校の文化祭、行かない?」どうやらチケットをもらったらしい。
3.「もしもし、ねえねえ、ねえ、ミサイル見る?ネクストはすごいぞぉ!」…玉川だ。音から察知するに、プリングルスの空缶をゴミ箱に代えて手にはめているらしい。
(荒川区・PN:DJカブト)
2.2年B組のお化け屋敷だった。「おーいらっしゃい。男2名に女4名だね?」国語の佐藤先生が声をかけてきた。
女の子達は怖がってなかなか中に入ろうとしない。それを見た野田が女の子達の背中を押し、強引に中に押し込んだ。
中に入ると薄暗いのでダンボールで出来た古井戸や新聞紙で作った岩など、それなりに雰囲気が出ている。女の子達もキャーキャーと声を上げて楽しんでいるみたいだ。
「早くお化けが出てこないかな、彼女がびっくりして僕に抱き付くなんてハプニングもあるかも?」と思っていた矢先、お化けが飛び出して来た。
「うわーっ!」僕は倒れそうになって何かをつかんだ。
1.「おいなにやってんだよ、雰囲気ぶち壊しじゃねーかよ。」野田が怒っている。僕がつかんだのは暗幕だった。まぶしい光が差し込んできた。
2.「キャッ、何よ、変なとこ触らないでよ!」。も、もしかして僕が触ったのは綾野さんの、胸?
3.「チヨーチヨチヨー。」ひよこっぽいものをつかんだ感触がした。そして周りからたくさんのヒヨコの気配が。しかもみんな弱りきっている。
(港区・PN:涙目サンバイズ)
3.1年D組の休憩室だった。「ぬ?ねえ、ミサイル見る?」我が校でも有名なユニークブレインの玉川君が、両手にプリングルスの空缶をはめてロボット気分で声をかけてきた。
「えっ、ミサイル?」綾野さんはびっくりしている。「こいつをなんとかしないと。」そう思って僕は玉川君の背中に回り込んだ。
「スイッチOFF!」わかりやすくそう言いながら背中を押すと、玉川君は「グガガーグガガーグガッ。」と言ってピタリと体の動きを止めた。
そんなこんなで僕らは休憩室に落ち着いたのだった。みんなといろいろな話をしていると、30分くらい経った頃だろうか、僕の所に誰かがやって来た。
1.「あっ、麻美子姉ちゃん。」胸に"綾野"というネームプレートを付けた後輩だ。彼女の弟かな?
2.「体育館でロックコンサートするんで、もしよかったら来て下さい。」ロックバンド研究会の広瀬が各教室を回って来たようだった。
3.「ヌヌヌヌヌ…ねえ、ねえ、僕宇宙人に見える?」玉川君の弟分の関口君が、全裸に胸から"塩"と書かれたプレートをぶら下げて自分の喉を幾度もチョップしながら話し掛けて来た。
(PN:バックギャモン2世)
96.11.23 放送 |
1.「もしもし、急にお電話してごめんなさい。綾野と言いますけど。」…綾野さんからだ。
「あ、綾野さん!?」突然の出来事に僕は思わずカン高い声を上げてしまった。
綾野さんは中島キャプテンから電話番号を聞いて僕に電話してきたらしい。
「本当にごめんなさい。突然、ごめんなさい。ちょっと聞きたいことがあったから。あのー、野田君のことなんですけど、野田君て付き合ってる彼女とかいるんですか?」
思いがけない質問だった。綾野さんは中島キャプテンと付き合っているんではないんだろうか?
僕は返事に困ってしまった。
1.「野田に彼女はいるよ。さらさらのロングヘアーが似合う、年下の女の子だ。」
2.「野田に彼女はいない。『なかなかいい娘がいないんだよな』といつもボヤいているんだ。」[Click!]
3.「野田に彼女はいるよ。野田のポケベルに毎晩『てんぷら油固めておきました』とメッセージを入れている、一途な女の子だ。そんな彼女に今、野田は夢中だから。」
(鳥取県・PN:もしもしピエロ)
2.「もしもし、あ、俺だ俺、野田。あの娘達の学校の文化祭、行かない?」どうやらチケットをもらったらしい。
でも僕は、とても行く気にはなれなかった。
「いいよ、興味無いから。」そう言って電話を切ってしまった。
それから1週間、僕は綾野さんの事を忘れようと毎日詩を作り続けた。
内容は、せっかく一目ぼれをしたのにその女の子には既に彼氏がいたことに対する悲しみの詩だ。その詩はちょうど綾野さんの学校の文化祭の日に完成した。
僕は、
1.これを綾野さんに手渡そうと思った。
2.これをコンクールに応募する事にした。
3.この詩に玉川君に曲を付けてもらおうと思った。とりあえず玉川君の付けたタイトルは「ぬんぬぬんのぬぬ?ぬ?」だった。
(栃木県・PN:新聞部副部長)
1.「もしもし、急にお電話してごめんなさい。綾野と言いますけど。」…綾野さんからだ。
「今日はごめんなさい。何だか中島君と話し込んじゃって。」綾野さんは本当にすまなさそうに僕に謝ってきた。
「あ、もういいよ。別に俺、気にしてないから。それよりどうして僕の電話番号を?」
綾野さんは少し考えたかのように間を置いて、僕にこう答えた。
1.「中島君が教えてくれたの。実は私、中島君とは…」と、そこで僕は思わず電話機を切ってしまった。
2.「野田君が、もしよかったらかけてやってくれ、なんて言うから。」僕は野田の友情に感動した。しかし、彼女にはもう中島が…。
3.「玉川君が学校中、ううん、街中のいたる所にマジックペンであなたの電話番号を…。」
(東京都杉並区・PN:Fly High)
96.11.30 放送 |
2.「野田に彼女はいない。『なかなかいい娘がいないんだよな』といつもボヤいているんだ。」
でももしそのことを言えば綾野さんは野田と…。そう思った僕は綾野さんに思わずこう言ってしまった。「聞いてみるから、また後で連絡しますよ。電話番号を教えてもらえますか?」これが僕の彼女につける精一杯の嘘だった。
しかし勇気が無くて電話をかけられなかった。それ以来彼女からの連絡も無い。そのまま2週間が過ぎ11月も終わりに差し掛かったある日、学校から帰ってみると留守番電話にメッセージが入っていた。聞いてみると、綾野さんから連絡が欲しいという内容だ。
僕は、
1.電話を…やっぱりかけられない。綾野さんに何と言えばいいんだろう。
2.電話をかける事にした。[Click!]
3.電話を…いや、電話じゃ伝えられない。直接会いに行こう。僕は、綾野さんを好きになった日からコツコツ掘り続けた地下道を急いだ。…あーっ!!誰か住んでる!!
(愛媛県・PN:夢太郎)
2.「野田に彼女はいない。『なかなかいい娘がいないんだよな』といつもボヤいているんだ。」
でもそれを言ってしまったら、綾野さんは野田と付き合い始めてしまうかもしれない。かといって嘘をつくのも嫌だ。僕は黙り込んでしまった。
すると、綾野さんは慌てて言った。「あっ、わからなければいいの。ごめんなさいね、急にこんなこと言って。それじゃね。」そのまま電話は切れてしまった。
次の日、僕は夕べの電話がずっと気になって授業にも身が入らなかった。『綾野さんは中島キャプテンと付き合ってると思っていたけど…夕べの電話からすると…野田の事が好きなのか…』と考えていると、何やら廊下が騒がしい。
何だろうと思って覗いてみると、
1.なんと中島キャプテンが階段から落ちて大ケガをしたらしい。救急車まで来る始末だ。
2.何と中島キャプテンと野田が大ゲンカをしていた。止めなければ。
3.何と中島キャプテンが1年D組の人気者、玉川君と全裸にギター一丁でゲリラライブをしている。曲名は"ファンタジックふぐり"。ふぐりコールまで起きている。「ふーぐーり!ふーぐーり!ふーぐーりー!」
(三鷹市・PN:セントギガ逆指名)
2.「野田に彼女はいない。『なかなかいい娘がいないんだよな』といつもボヤいているんだ。」
僕はそれを正直に打ち明ける事にした。
「野田はフリーだけど、それがどうしたの?」すると彼女の声はとても嬉しそうになった。
「そうなんだ。ありがとう。じゃあ野田君の電話番号教えてもらえないかしら?」僕は野田の電話番号を教えて上げる事にした。
しかしその前に彼女に確かめておきたい事があった。
それは、
1.どうして野田の電話番号は知らないのに、僕の電話番号は知ってるんだろう?
2.どうして綾野さんは中島キャプテンと付き合っている感じだったのに、野田の事を知りたがるんだろう?
3.どうして綾野さんは最初に入った時、胸に7つの干し首をぶらさげていたんだろう?と、誰の?
(千葉県浦安・PN:窓からディズニーランド見えぞう)
96.12.7 放送 |
2.電話をかける事にした。
「もしもし、綾野ですが。」綾野さんだ。
僕は、野田に彼女がいないことを正直に告げた。
「ホントですか!?じゃっ、急な話で悪いんですけど、明日の放課後、学校の前で待っててもいいですか?そこに野田君を連れてきてもらえるとうれしいんですけど。」
僕はOKしてしまった。これで、綾野さんと野田は…。でも野田はいい奴だ。綾野さんとはお似合いだろう。
次の日、僕は野田にそのことを話した。もちろん野田は乗り気だ。
僕は、
1.野田と一緒に、綾野さんに会うことにした。[Click!]
2.そんなこと、耐えられない。野田一人で行ってもらうことにして、こっそり帰ることにした。
3.もしもの時のために持ち歩いていた、鬼の面と腰みのを野田にだけ装着させてから綾野さんに会うことにした。これで綾野さんも僕のほうに目をむけてくれるはずだ。
(PN:くじ引き王者)
3.電話を…いや、電話じゃ伝えられない。直接会いに行こう。僕は、綾野さんを好きになった日からコツコツ掘り続けた地下道を急いだ。…あーっ!!誰か住んでる!!
しかも家族で。
父「いやー、立派なホテルもいいが、やっぱり我が家が1番だな。母さん、お茶漬け作ってくれ。」
息子「僕もー。」
娘「私もー。」
母「まあまあ、みんな揃って、母さんだって帰ってきたばっかりで疲れてるのよ。」
しばらく時間経って、
母「お茶漬けできたわよー。」
父「タイ料理もいいが、日本人はお茶漬けだな。」
どうもタイから旅行で帰ってきたばかりらしい。このまま地下道を進んではこの家族の団らんを壊してしまうのでは…。
そう思った僕は、
1.家族全員が眠りにつくまで待ってから、そっと地下道を通り抜けることにした。
2.家族の邪魔にならないように、地下道に横道を掘ることにした。
3.気を利かせて豚汁を振る舞った。
父「おお、この味噌加減、最高だね。気に入った、うちの養子になれ。なあ?」僕はその家族の一員になった。
(神奈川県・PN:おろち)
1.電話を…やっぱりかけられない。綾野さんに何と言えばいいんだろう。
僕はどうすればいいんだ。そのまま何も出来ずに更に1週間が過ぎた。
僕はいまだに綾野さんのことが心に引っかかったままでいた。放課後、僕はクラブに行く気にもならず、家に帰ろうと教室を出た。
すると、野球部の中島キャプテンが僕を待っていた。「ちょっと話があるから、これから屋上まで一緒に来てくれ。」僕は言われるままに着いていった。屋上には僕と中島の2人きりだ。
そして突然、
1.中島キャプテンが僕に殴り掛かってきた。
2.中島は僕に1通の手紙を差し出した。"綾野"と名前が書いてある。
3.中島はこちらに向かい目をつぶり、口を前に出しじっと待っている。どうしよう!?
(PN:正二角形)
96.12.14 放送 |
1.野田と一緒に、綾野さんに会うことにした。
すると綾野さんも友達と一緒だった。文化祭の時に一緒に来ていた女の子だ。綾野さんよりその娘の方が顔を赤らめているようだ。
僕ら4人はそのまま駅前のファーストフード店に行くことにした。その途中、綾野さんの友達は野田に夢中になって話し掛けていた。
綾野さんは僕にそっと小声で教えてくれた。「ありがとう、野田君を連れてきてくれて。実はあの娘、野田君に一目惚れしちゃったのよ。」僕は納得した。綾野さんは別に野田のことを好きなわけじゃなかったんだ。野田と彼女の仲を取り持ちたいだけなんだ。もちろん僕も大賛成だ。
ファーストフード店に着くと、僕らは野田と彼女を二人きりにさせて僕と綾野さんも二人で話すことにした。遠巻きに見る野田はまんざらでもなさそうだ。
僕は綾野さんと話をしていると、綾野さんの方から思いがけない言葉が飛び出した。
1.「ねえねえ、あの二人をくっつけるために、クリスマスイブに4人で遊びに行かない?」
2.「実は私、あなたに打ち明けなければならない事があるの。」[Click!]
3.「ねえ、今度のクリスマスイブ、二人でニューヨークの小豆相場を動かさない?ほら、ニューヨーカーはクリスマス、相場に対するガードも甘そうだし。」
(PN:パーソナル)
2.そんなこと、耐えられない。野田一人で行ってもらうことにして、こっそり帰ろう。
裏口から帰ろうとすると、何だか校門の方が騒がしい。
「西山達が来たぞー。」一人の生徒が叫んでいる。西山?西山と言えばうちの学校一の不良で先生を半殺しにしたり、他の学校の生徒をバイクでひいてみたりして無期停学になったワルだ。最近は暴走族と付き合っていると聞いている。綾野さんが危ない!
僕は校門に走った。すると案の定、綾野さんと野田が西山達に囲まれている。
「俺達の前で見せつけてくれるじゃねぇかよ、おい!ちょっとそこのお嬢さん、俺達と一緒に来てもらおうか、あん?」西山がいやらしい目で言葉を投げかけている。
このままでは危ない。
1.「やめろー!!」僕は野田らと西山達との間に割って入った。
2.「やめろ!」そこに野球部の中島キャプテンが割って入った。
3.「やーめーるーのーねー。チュチュチューチュチュチューやめやめストップ!やめストップ!」美術部の今村君が絵の具をムシャムシャほおばりながらやって来た。
「やばい今村だ、ずらかれー!!」西山達は去っていってしまった。
(PN:12代目パックマン)
2.そんなこと、耐えられない。野田一人で行ってもらうことにして、こっそり帰ろう。
こうしてぼくはそのまま家に帰った。僕の心の中はぽっかりと大きな穴が空いてしまったかのようだ。何もする気になれず、晩御飯も二口ほど手を付けただけで僕は布団の中にくるまった。
「綾野さんと野田、きっといいカップルになるだろう。」そんなことを考えていると、またしても電話が鳴った。こんな気分じゃとても取る気にはなれない。僕はそのまま浅い眠りについた。
しばらくして、おふくろに起こされた。「表にお友達が来ているわよー。」僕はいつのまにか流していた涙を拭い、時計を見た。よる10時だ。こんな時間に誰だろう。外はいつのまにか雨が降っている。
表に出てみると、
1.そこには、ずぶ濡れの野田が立っていた。「ひどい奴だな、お前。」
2.そこには、赤い傘を差した綾野さんが立っていた。「こんな夜中に、ごめんなさい。」
3.そこは、上半身サンタクロース、下半身腰みのの玉川君が立っていた。「ピンポンダッシュ失敗!」
(PN:ラッツ&すわ)
96.12.21 放送 |
2.「実は私、あなたに打ち明けなければならない事があるの。」
彼女の目は真剣だ。「実はあなたにも紹介したい女の子がいるの。」その言葉に僕は少しがっかりした。やっぱり綾野さんは僕のことなんかただの友達としか思っていないんだ。
僕のショックなど知る由も無い綾野さんは話を続ける。
「すっごいいい娘なんだけど、今度会ってもらえないかしら?」
「う、うん。じゃあ、今度暇な時に。…ああっ、ゴメン。急に用事思い出したから。じゃっ。」僕はそのまま逃げるようにして家に帰った。
その夜僕はふと思い出した。そう言えば初めて綾野さんに会った日も、こんな風だったな。そうだ、中島キャプテンが綾野さんと仲良さそうに話しているのを見た時も、つまらなくなった僕は"ちょっと用事を思い出したから"と言って逃げたのだ。
良く考えるとやっぱり綾野さんは中島と付き合ってるんだろう。それなのに何を勝手に舞い上がっていたんだろうか。もう綾野さんのことはあきらめよう。そう心に決めた。
そして僕は、
1.受験勉強に打ち込もうと、予備校の冬期講習に通うことにした。
2.今までのことを全て忘れるためにクラブを辞めて、アルバイトをすることにした。[Click!]
3.少しでも男らしくなろうと、スタローンになりきる事にした。とりあえずセリフの練習だ。「エイドリアーン〜!!」
(東京都豊島区・PN:てんとう虫の佐々木)
2.「実は私、あなたに打ち明けなければならない事があるの。」
『打ち明けたいこと?何だろう。もしかしたら告白かもしれない…』そう考えたら僕は赤面してしまった。
…まさか綾野さんが僕のことなんか好きになるわけがない。綾野さんは続けた。
「実は、今度のクリスマスに引越しすることになったの。」それは思いがけない一言だった。引越し先はアメリカだという。
せっかく仲良くなったのに、綾野さんが遠くに行ってしまう。綾野さんと別れて僕は家に戻った。
あまりの急な出来事に僕は頭の中が真っ白になってしまって、その後綾野さんとどんな事を話したのかもよく憶えていない。ベッドに潜り込んでからも綾野さんのことを考え続けた。綾野さんに僕のことを忘れて欲しくない。 そうだ。
1.綾野さんに最高のクリスマスをプレゼントしよう。
2.明日僕の方から綾野さんに告白しよう。
3.とりあえずアメリカをなくそう。
(品川区・PN:剛球パーラー)
3.「ねえ、今度のクリスマスイブ、二人でニューヨークの小豆相場を動かさない?ほら、ニューヨーカーはクリスマス、相場に対するガードも甘そうだし。」
そうして僕と綾野さんは小豆相場に手を出した。無防備なニューヨーカー達相手に僕らは一夜で7000兆稼ぎ出し、トランプタワーを取り囲むように地上500階のビルを4つ建てた。
あれから5年、僕と綾野さんはビルの最上階で2人の子供をあやしながら物思いにふける。
ありがとう、ありがとう、ありがとう綾野さん。ありがとう、ガードの甘いニューヨーカー。
よし、今度は世界中のガラポンを買い占めよう。ガラポン長者になって、エンパイアステートビルを8つのビルで囲んでやるんだ。僕らのアメリカンドリームはまだ続く。
[終]
(PN:トーテムポール)
96.12.28 放送 |
2.今までのことを全て忘れるためにクラブを辞めて、アルバイトをすることにした。
アルバイト先はピザ屋だ。年末の忙しい時期だけ募集をかけていた。臨時の配達要員として働き始めたのだ。お店に着くと店長からいきなり「それじゃあ、さっそく配達に行ってもらう。」と1枚の紙を渡された。
配達先が書いてある。名前を見ると、『綾野』。間違いない、綾野さんの家だ。出来る事なら行きたくない。でも行かなければ。僕は綾野さんが留守にしている事だけを願って、綾野さんの家に向かった。
ピンポン
ドキドキしながら呼び鈴を押した。そして玄関を開けたのは…綾野さん本人だった。
「あっ…」綾野さんは一目で僕に気がついたようだ。
「ご注文のピザですが、お届けにあがりました。」僕は努めて平静を装ったが、綾野さんは構わず話しかけてきた。
「この前遊園地で話した事なんですけど、友達に頼まれてどうしても断れなくて、でも、あの後よく考えたんです。私も…いえ、私、やっぱりあなたの事が好き。」突然の告白に僕は驚いてしまった。そして気がつくと、僕は彼女の事を抱きしめていた…。
とそこで僕はペンを置いた。「ちょっと強引な結末だけど、初めて書いた小説にしてはまあまあかな?」恥ずかしいラブストーリーを書いてしまった。僕はそんな風に自分を納得させた。
明日の文芸部、みんなにこの小説を見せよう。きっと驚くぞ。
[完]
(PN:ドリームフォーユー)
2.今までのことを全て忘れるためにクラブを辞めて、アルバイトをすることにした。
バイト先は駅前のコンビニだ。僕は綾野さんの事を忘れるために必死にバイトに専念した。そして年も明け2月に入った頃、僕は綾野さんの事を完全にふっ切っていた。
なぜなら新しく好きな女の子が出来たからだ。その娘の名前は林さん。バイト仲間だ。ちょっとおっちょこちょいな所があるけれど、時折見せる姿がすごく可愛い。僕は彼女に夢中だ。今日は思い切って彼女に告白しようと思う。
昼休み、僕は彼女を倉庫に呼び出した。今度こそこの恋を実らせよう。そう思って彼女に口を開こうとした瞬間、彼女の方から先に口を開いてきた。
「あなたには才能があるわ。いいもうけ話があるんだけど、乗らない?」ぼくはその言葉にきょとんとした。彼女は話を続ける。
「私はね、あなたをスカウトしたいの。どう、私と手を組んで世界中のしらたきを全て牛耳ってみない?スカウト料はこれだけ出すわ。」そう言って彼女は黒いトランクを開けた。中には札束がびっしり。
「どう?これで今から台湾へと飛ぶんだけど、来る?」僕は迷う事はなかった。
そして2年。僕は彼女と世界中のしらたきを手にした。彼女の目は確かで僕はしらたきに対する才能がものすごく優れていたらしい。今の世の中では、しらたきは末端価格1g500万円から800万円で取り引きされている。
僕は思う。彼女に知り合えて本当によかったと。
我が人生まさにしらたきなり。
[終]
(神奈川県・PN:ニレンジャー)
1.受験勉強に打ち込もうと、予備校の冬期講習に通うことにした。
残りの日々を勉強だけに打ち込むために入った予備校。もう綾野さんのことなどきっぱり忘れて気分を一新しよう。そう思って教室のドアを開けた。しかしその教室の中で真っ先に目に飛び込んできたのは紛れもなく、綾野さんの姿だった。
『あ、あ、あ、綾野さん。』僕は喉まで出かかった言葉を必死で飲み込み、教室の後ろまで歩いていくと席に着いた。確かに綾野さんと目が合ったはずだが、綾野さんも僕に声をかけてくる事はなかった。
その日の講習も終わり、家に帰ろうと僕は駅のホームまで歩いた。するとそこには綾野さんの姿があった。なんて不運な日だろう。綾野さんを忘れるために入った予備校で綾野さんに会い、電車のホームでまた綾野さんに会うなんて。僕は綾野さんから出来るだけ離れるためにくるりときびすを返した。すると後ろから僕の名前を呼ぶ声が。振り向くと綾野さんが立っていた。
「あのー、あのこの前は…あのこの前紹介したいって言った女の子、本当は…私なんです。」それだけ言うとうつむいてしまった。
僕と綾野さんの物語は、これから始まる。
[終]
(PN:僕らのドラマ)
3.少しでも男らしくなろうと、スタローンになりきる事にした。とりあえずセリフの練習だ。「エイドリアーン〜!!」
そして僕は気がつくとボクシング部に籍を置いていた。場所は後楽園ホール。僕は高校生として初の世界タイトルマッチを戦っている。相手は20戦20勝、無敵のチャンプだ。
会場には、今日この日のために招待した綾野さんがいる。なぜか玉川君も全裸に白塗りで応援している。
僕はこのチャンプを倒し、綾野さんに認めてもらうんだ。そう、それが今、僕が目指すたった一つの道なのだから。
<第1章青春編・完>
第2章・死闘へ続く
(PN:アップップ)